いきものがたり

Vol.29 オオヒシクイの秘密

SNSでシェア

近くの田んぼでエサを採っていたオオヒシクイ。朝9時過ぎには、ねぐらでもある朝日池に戻ってきた。大きな鳴き声をたてながら着水して少し落ち着くと、このオオヒシクイたち何やら始めた。

水中に首を入れ・・・しばらくすると首を出して・・・おや、くちばしを盛んに動かして何かを回している様子。結構時間をかけて口の中のものをころがすとパクッと食べてしまった!くちばしではさんでいたのはヒシの実。
実は忍者が追ってを避けるために通路にまく「まきビシ」がこれ。角のようなものが4つほど出て硬い殻に覆われている。この殻を割ると人も食べるおいしい中 身が入っている。しかし殻の固さは頑丈でなかなか割ることができない代物。ところがオオヒシクイのくちばしの内側は非常に硬くなっていて、角をつぶしたり 折ったりできるのだ。
オオヒシクイという名前は、このヒシを食べる姿を昔の人が見ていてつけたのであろう。これは同じ仲間で体の小さいマガンにはできない芸当なのである。池の ヒシはオオヒシクイの食べ放題、独占というわけ。田んぼでも池でもエサを食べ続けるオオヒシクイは、この朝日池をはじめ福島潟や、佐潟でも見ることができ る。新潟県内は、この仲間にとって大切な越冬の場所なのだ。

SNSでシェア

新着記事