いきものがたり

Vol.35 キジはパフォーマー

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新潟市内の公園を歩いていると、「ケンケーン」という甲高い声が聞こえてくる。 この音の正体は、キジ。顔のまわりが赤く、羽根の色も複雑で美しい姿は目にする人も多いかもしれない。

しかも年中いるキジが一番鮮やかに美しいのは春なのだ。この羽根の色がきれいなのがオスで、「ケンケーン」と鳴くのもキジのオス。 では鳴いている瞬間のキジはというと口を開いて「ケンケーン」と鳴いた後、両方の翼を自分の胴に素早く打ちつける「ドドドッ」と聞こえる「母衣打ち(ほろ うち)」という動作が加わるところまでが一連の動きなのだ。さえずりなどで口以外の動作も伴うのは他の鳥ではあまり見ない行動だ。
オスが鳴くのは縄張りを主張するためだが、オスはこの時期もうひとつ大切な仕事があった。 メスにぴったりよりそうオスを見つけた。オスはメスのまわりをぐるぐるまわりながら尾羽を広げでメスに見せ付けるようにゆさゆさと扇ぐような動作を何度もやっていた。 まるでダンスをしているかのよう・・・他のオスにとられないようにアピールするとういう訳。 子育てにはまったく参加しないオスにとって、春は1年間で一番忙しい時期なのかもしれない。

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