いきものがたり

Vol.39 雨の日の子育て

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雨の降る日、田植えのすんだ田んぼにやってきました。こんな日、生き物はどうしているでしょう・・・。

休耕田の草地に、頭はグレー、背中は薄茶、お腹は白、くちばしはオレンジ色の鳥がいました。親と、一回り小さなヒナ。ケリです。このときはヒナは3羽でした。小さなヒナは親と同じ模様で、エサも自分で探しています。ケリの親はエサ探しまでしなくていいのです。
でもだからといって楽なわけではありません。外敵が来ないかオスもメスも警戒を怠りません。何か異変があると飛び立って「キッキッ」と鳴きながら警戒します。上空では広げた羽根の白が鮮やかで目立ちます。
さて雨脚が強くなってきました。エサ探しどころではありません。するとヒナたちは、親のお腹の下に次々ともぐりこみました。実はこの時期、まだヒナたちは自分で体温調節ができません。雨で体温が奪われないよう親のお腹にもぐりこむのです。
見渡すかぎりの草地で、隠れ場所のないケリたち、親がお腹の下や翼の下にヒナを隠す以外にヒナを守れないのです。
背中に水滴の水玉、くちばしからは水滴・・・ケリの親の子育ては続きます。

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