岩場の続く海岸沿い、美しい声が響いている。岩に反射してさらに音が増幅されている。いったいどこでどんな鳥が鳴いているのか・・・
よく見ると岩場の上に精一杯身体を伸ばして歌っている鳥を見つけた。イソヒヨドリだ。ブルーの背中にレンガ色のお腹のツートーンが美しいオスだ。イソヒヨドリは地上で岩場の隙間などでムカデや昆虫などを捕まえてエサにしている。
そしてこの時期(5月)は恋の季節でもある。くすんだ茶色とオリーブ色の中間色のメスが、小刻みに羽を震わせ、尾っぽのほうを上に上げる動作をしていると、オスがやってきた。さらに別の場所では、そんなメスの周りをオスがぐるりと1周している。
こうしたオスとメスのやり取りは恋の駆け引きだ。こんなやり取りでうまくカップルが成立すると、そのあとには卵を産み、子育ての季節が待っている。波打ち際のイソヒヨドリのやりとり、気がつくとあちこちで展開している。