冬はオオヒシクイなどの水鳥でにぎわう新潟市の福島潟。初夏になると鳥たちの分布図も一変する。
ヨシが成長するのとあわせるかのようにやってくるのが「オオヨシキリ」。「ギョギョシ、ギョギョシ」とヨシ原のあちこちから大きな声が響いてくる。「オオヨシキリ」はヨシの中に巣を作り子育てをする鳥だ。口の中は真っ赤で、オリーブ色で頭の部分が毛羽立ったような姿が特徴だ。
そのヨシ原では、実はもう1種類、ヨシに依存して生きる鳥がいるのだ。それは「コヨシキリ」。名前のとおり「オオヨシキリ」とよく似ているが大きさは一回り小さい。口の中は黄色で、鳴き声も、もう少し澄んだ声だ。目の上に白い眉があるのが特徴だ。ではヨシ原をどう棲み分けているのだろうか。実は「オオヨシキリ」は広いヨシ原の中央部に陣取っていることが多いのに対し、「コヨシキリ」は、ヨシ原の端っこの少しヨシがまばらなところ、ヨシの丈も少し低いような場所にいることが多いのだ。
環境の微妙な違いも鳥たちにとっては大きな違いだ。多様な環境はそれだけ生き物の種類を多くすることにつながっている・・・