いきものがたり

Vol.47 大波にも負けないゾ!

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阿賀野川河口のアシ原に、6月小さな命が生まれていた。波に飲まれそうになりながらアシ原の中に運びこまれたのはバンのヒナだ。まわりにも同じように黒い羽毛にくちばしの赤がアクセントの仲間がいる。

バンはツルの仲間で大人も黒い羽にくちばしの先が黄色、その上から額にかけて赤い色が特徴の鳥だ。体の割に足は大きく、水かきはない。だから水面で泳ぐ時には頭を前後に動かして反動をつけながら移動するので、カモたちとは明らかに違ってみえる。そのかわり陸上の動きはすばやく大またで駆け抜けることも得意だ。 また水草の葉の上をひょいひょい移動することも出来る。

この日出会ったヒナたちは生まれてまもない様子で、エサは親からもらっていた。でも移動はヒナなりに親を追いかけて一生懸命だ。何か襲われそうになったらアシ原に隠れることが出来るのでバンにとってはとてもいい環境なのだろう。泳いだり歩いたり親子の訓練が続いている。小さなアシ原は、バンのゆりかごかもしれない。

新潟を含む北日本では繁殖期に見られる夏鳥であり、関東より南では留鳥か冬鳥という鳥だ。この時期見られるのも新潟の特徴の一つだ。

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