いきものがたり

Vol.49 今年初めてのヒナ

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今年の佐渡のニュースといえば、放鳥したトキが野生の状態で卵を生み、ヒナを孵し、巣立ったこと…長年トキと関わってきた方々はどんなにか喜んでいらっしゃることだろう。このために環境整備も進められ、ビオトープを作ったり、餌の確保のことなど様々な取り組みが行われてきた。これからも努力が続いていくことだろう。そうした中で実際にヒナが育っていることは大きな励みに違いない。

さて巣の中で親からエサをもらっていたヒナは巣立った後、どうしているのか…今年の夏佐渡で、その姿をとらえることが出来た。佐渡の空を6羽のトキが飛んでいるところを撮影した。どの鳥も大きさが同じくらいで、一見したところ親なのか若鳥なのか見分けがつかない。撮影した映像を拡大してみるとそこには背中から首が濃いグレーで翼の内側が美しい朱鷺色の親鳥と、もう1種類グレーも淡く、全体に色の薄い若鳥がいることがわかった。この6羽は親と若鳥の集団だったのだ。親と一緒に行動している時期にあたり、エサの捕り方をはじめ様々なことを教わっているのだろう。こうした集団が佐渡で暮らしていること…それは38年ぶりのことなのだ。

これからずっと佐渡にトキが生きつづけて、当たり前に存在する日がくることが望まれている。

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