月、ハヤブサが子育てをしていた断崖絶壁にオレンジ色の花が咲き始めた。そんな岩の一角に鳥が止まっている。何だろう…しきりにあたりを伺っている。そのうちこの鳥の周囲を横切るように飛ぶ鳥が現れた。ハヤブサだ。と、言うことは…岩にとまっているのはなんと3週間前真っ白い産毛に包まれていたハヤブサのヒナだったのだ。つまり巣立ったあとというわけだ。もうすでに白い産毛はなく親より少し淡いがちゃんと羽が生えている。よく見ると親のお腹は白いところに横縞模様だが、ヒナは縦縞模様、くちばしの色も淡い。

ハヤブサは巣立ったあともしばらくはエサを自分で取ることができず、親からエサをもらうのだ。ヒナが盛んに鳴いて親を呼んでいる…お腹が減ったのだろう。すると親がやってきたエサを足につかんで飛んできたのだ。ヒナの近くに着地。するとなんとヒナがまるで分捕るようにエサをつかんで自分のからだでエサをかくすようなしぐさをした。親はそれを確認すると再び飛び出していった。ヒナ、いやすでに若鳥といったほうがいい。若鳥はこうやって今度は本当に一人前になえうための修行をしていくのだ。子育てはまだまだ続く。