いきものがたり

Vol.56 ハヤブサ⑤細心の子育て

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巣立ったハヤブサの幼鳥(若鳥)は、その後も親からエサをもらうなどして育っていく。今回はその中で興味深いシーンに遭遇した。まず岩場にいる若鳥のところに親鳥が大きな獲物を運んできた。まるごと渡すと若鳥はすぐに掴んで、自分の翼で獲物を隠すしぐさで、自分のものという自己主張した。親はそのまま飛びだってしまう…

さて若鳥は、自分の力で食べることができるのか…しばらくすると、獲物の羽をむしりははじめるが、なかなか食べるところに達しない。獲物と若鳥が格闘すること18分、親鳥がやってきた。解体した別のエサをくわえている。若鳥に近づく。さらに…

くちばしでつまむと一口づつ若鳥に口移しで食べさせ始めた。親はさきほど大きな獲物を若鳥に渡してから、ずっと若鳥がどうするのか見ていたのだ。そしてエサと格闘している状況を観察した上で、助け舟を出したということなのだ。短い子育ての期間は親にとっても子にとっても貴重な時間。親鳥が細心の注意を払っていることが分かる。

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