いきものがたり

Vol.58 高山①ライチョウを探しに

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日本アルプスの山なみの中にひときわ高くくっきりとそびえる富士山。この姿が新潟県で見える場所・・・それが妙高市と糸魚川市にまたがる山、火打山(2462m)だ。7月、この山に生息するというライチョウに会いに出かけることになった。ライチョウは、国の天然記念物である絶滅危惧種で、日本では本州の中央アルプスの高山帯だけに生息している。火打山はその北限にあたる。

さて、火打山ではライチョウは頂上近くの雪渓のあたりにいるというのでそこを目指す・・・登るにつれ山の植生はダケカンバやオオシラビソなど高山らしいものに変っていく。ハクサンコザクラという高山植物の花が満開になっている・・・ようやく雪渓にたどりつく。雪渓の脇に白い羽が落ちていた。これはライチョウの冬の羽だ。近くにいるのではないか・・・期待が高まる・・・

ふいに霧が濃くなった。山の天候は変りやすい。すると・・・我々のいる木道のすぐそばに・・・

ライチョウを発見。よく見ると目の上に赤いラインのあるオスだ。羽は茶色の模様で、あたりの景色に溶け込んでいる。今は夏羽なのだ。氷河期の生き残りと言われるライチョウは天敵も多く、こうした霧が濃いときなど敵に見つかりにくい時を選んで行動するという。貴重なチャンスを生かしその生活に迫った。次回にさらに続く!

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