いきものがたり

Vol.17 ハヤブサ(その2)

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初夏、青空にそそり立つ断崖絶壁でオスとメスのハヤブサに遭遇した。
タカの中でも獲物を狙う時のスピードは抜きん出て速いハヤブサ。

ある日のこと2羽のすごい光景を目撃した。オスがどこからともなく飛来してきた。呼応するようにメスが飛びながら近づいていった。そのあと、オスは空中でメスに渡したのは獲物だ。空中でエサの受け渡しをしたのだ。そして2羽は分かれて飛んでいく。
獲物を受け取ったメスはがっしり獲物をつかんだまま岩棚に向かう。そしてさかんに獲物の羽根をくちばしでむしっている。どうやら獲物はムクドリ。それをメスは自ら食べるのではなく、「ピー ピー ピー」と鋭く鳴きながら足で掴むと、さらに飛び出していった・・・その目的の場所には、白い産毛の残っているかなり育ったヒナがいた。
メスはヒナにエサを持っていくことを鳴きながら伝えて、食べやすく羽根をむしって運んでいったのだ。夢中になって食べるヒナ。親鳥はその後、ひっそりと岩陰に止まるとぴったりと動かなくなった。相当疲れている様子。でもしばらくするとまた大空へ飛び出していった。
ハヤブサの子育ても決して楽ではない。

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