いきものがたり

Vol.20 稲刈りに現われ集団でエサを取るサギ

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9月の新潟平野、稲が黄金色に実った。あちこちで農家の方がコンバインを運び稲刈りが始まる。

すると・・・どこからともなく上空にサギの集団が現れた!そしてコンバインが動き始めると、サギたちはどんどん稲が刈られている部分に近寄っていく。コンバインの大きな音と飛び散る稲わらで周りは騒がしいのに、そんなことは眼中にないといった感じで、稲が刈られるところに頭と突っ込んでいくサギたち。
実は、このサギはアマサギと言って春先には頭や背中ぐらいまで亜麻色という薄いオレンジ色の羽毛が目立つサギで、春東南アジアから日本にやってくる鳥だ。秋のこの時期は、そろそろ東南アジアへ帰る頃なのだ。冬に近づくと亜麻色が薄れ全体に白っぽくなっている。
これらの鳥が稲刈り中の田んぼを狙って降りてくるのには、大きな理由がある。それはコンバインが入って稲を刈るときに中にいたバッタやイナゴが驚いて飛び出してくるのを食べるためなのだ。普段でも田んぼ周辺でエサを取ったりするが、稲刈りの時にはどんどん虫が出てくるのでとても効率がいい、また集団で虫を狙うということは、自分が追い出した虫が反対方向に飛んだとしても、他の鳥から逃げた虫がこちらに来るというメリットもあって集団でいることがまことに都合がいいのだ。
稲刈りが終わりお腹も満たしたアマサギは、一斉に飛び上がり去っていった。また来年再会することを願って・・・

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