SDGs de はぐくむコラム

〝なんみん〟ってなんのこと?

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みなさん「なんみん」という言葉を聞いたことがありますか?

漢字で書くと「難民」。

広辞苑(第七版)を引いてみると、〈戦争・天災などのため困難に陥った人民。特に戦禍、政治的弾圧や迫害を避けて故国や居住地外に出た人。〉
とありました。分かるような分からないような・・・。

今回は6月20日が世界難民の日ということもあって難民について考えてみたいと思います。

 

世界難民の日とは 

国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)のHPによれば、〈2000年12月4日、国連総会で、毎年6月20日を 「世界難民の日」(World Refugee Day)とすることが決議されました。

この日は、従来はOAU(アフリカ統一機構)難民条約の発効を記念する「アフリカ難民の日」(Africa Refugee Day)でした。

難民の保護と支援に対する世界的な関心を高め、UNHCRを含む国連機関やNGOによる活動に理解と支援を深める日にするため、「世界難民の日」として制定されました。〉とあります。

https://www.unhcr.org/jp/wrd

『なんみんってよばないで。』ケイト・ミルナー/作・絵 こでら あつこ/訳 合同出版

この絵本は学校の先生をしている作者の娘さんが、難民問題を考える時に、子どもたちの疑問に答える本がない と言っているのを聞いて執筆を思い立ったという経緯がある絵本です。

絵本に出てくるお母さんが我が子に この街を出なくてはならない。ここは安全に暮らせない。と言うところから始まります。

そしてこの親子がこれから起こる様々な出来事を想像していく内容です。

突然起こる仲良しとの別れ、持てるだけの荷造り、ひたすら移動の日々、そして知らない場所での疎外感。

そんな辛い想像をお母さんは優しい口調で、本来は絶望でしかない事実を、そうではないこともあるように伝えていきます。

最後には必ず安全な場所があると信じているから、明るい未来があるからと描かれている作品です。

所々に「きみなら 何を持っていく?」や「きみならどれくらい歩けると思う?」など読み手にも語りかけてくる場面があります。

ぜひ一緒に考えながら物語を読み進めて欲しいです。

最後に 解説が掲載されています。2019年初版に書かれたものですが、大人はここまでしっかり読んで今 世界で起きていることを考えて欲しいです。

 

『いえ あるひ せんそうが はじまった』
カテリナ・ティホゾーラ/作 オレクサンドル・プロ―ダン/絵  すぎもとえみ/訳 汐文社

こちらの絵本は2022年2月、ロシアがウクライナ侵攻を開始して、ウクライナでは大勢の人々が家を奪われた事実が基になっています。

突然はじまった攻撃は私たちには想像もつかない恐怖や怒りそして悲しみだったことでしょう。

パパとママと犬のテレシクと楽しく平和に暮らしていたぼく。

ある日戦争が突然始まり、自分たちが住んでいた家がこの家族を守ってくれたのでした。

自分たちは助かったのですが、その代わりに家は焼けてしまいます。

だから次の住まいを探しに行かなければなりません。新しい住まいはどこなのか?

とりあえず向かう避難所、人でごった返す駅、親戚の家・・・とうとう国境付近までやって来た家族。

しかし、ここからは母子だけで進まなければならないことを告げる父親。

悲しむ息子に父親が今まで家で起きた数々の出来事を思い出せば、進むべき道へと導いてくれると告げるのでした。

どんなに悲しいことがあっても、希望を失わなければ未来が拓ける・・・そう伝えているように読めました。この絵本を読んだ後 自分には何ができるか?と思う作品でした。

 

最後は二人の女の子の視点で描かれた戦争に巻き込まれた子どもたちのお話です。

『シッカとマルガレータ 戦争の国からきたきょうだい』
ウルフ・スタルク/作 スティーナ・ヴィルセン/絵  きただい えりこ/訳 子どもの未来社

戦争が始まり子ども一人で隣国に避難したシッカと受け入れる側の平和な国の少女 マルガレータ。

大勢の子どもたちと船で連れてこられ言葉も分からないシッカに対して、避難民の子どもではなく我が家に子犬がやってくると思っていたマルガレータは最初ぶつかり合います。

しかしとある事件が起こることで、少しずつ心通わせ、最後は戦争が終わって嬉しいが、それは同時にこの女の子たちにとっては別れでもあることになると気づくというお話です。

戦争という悲惨な出来事がなければ、シッカは家族と別れなかったのですが、そこからの出会いでお互い大事なものに気づき、相手の心を思いやるという成長を遂げる少女たちの物語です。

作品中には書いてないのですが、添付されていた解説を読むと、第二次世界大戦中にスウェーデンとフィンランドであった本当の話でもあるようでした。

フィンランドからは数万人の子どもたちが集団疎開していたそうです。

今回紹介した絵本は決して楽しいお話ではありません。事実に基づき、今なお世界のどこかで同じようなことが起きている・・・

難民というテーマから少しだけそのことを知ってほしいと思います。

 

絵本ではありませんが難民についてとてもよく分かる本を紹介します。

『難民の?(ハテナ)がわかる本』 
木下理仁/著 太郎次郎社 エディタス

難民とはどんな人たちなのか?から過去から現在に至るまでの難民に関わる歴史が学べます。

そして「難民と日本のわたしたち」という第三章は今現在日本で起きている難民問題がよくわかります。私は難民に関して知らないことが多すぎて、読み始めたら一気に読んでしまいました。

途中未来の日本で起きたとされる空想のお話・・・茶髪禁止法に関する読みものも考えさせられる内容ですが、とても現実的で、いつ日本でも似たようなことが起きてもおかしくないとさえ思えました。

平和に過ごしていると気づかないことがたくさんあります。

平和であることさえも忘れてしまうこともあります。

日本で起きていることだけでなく世界にも興味関心を持つ人がもっと増えますように・・・。

 

  

* BSNラジオ 土曜日午前10時「立石勇生 SUNNY SIDE」の オープニングナンバーの後に「はぐくむコラム」をお伝えしています。6月20日は、絵本でSDGs推進協会代表の朝日仁美さんです。お楽しみに!

http://立石勇生 SUNNY SIDE | BSNラジオ | 2026/06/20/土 10:00-11:00 https://radiko.jp/share/?sid=BSN&t=20260620100000

この記事のWRITER

朝日仁美(糸魚川市在住 絵本でSDGs推進協会代表/学校司書)

朝日仁美(糸魚川市在住 絵本でSDGs推進協会代表/学校司書)

神奈川県横浜市出身。結婚を機に糸魚川市での生活をスタート。子育てとともに、公民館事業の支援を受け絵本の読み聞かせの会を発足し、以後16年間 毎月乳幼児親子に絵本にふれる場を提供し続けた。 現在は糸魚川市初の学校司書であり、絵本で世界と繋がりたいと、絵本でSDGs推進協会を設立し活動中。 一男一女の母。 糸魚川市学校図書館司書 絵本でSDGs推進協会 代表理事 SDGs for School 認定エデュケーター 日経BP社 エコマムアンバサダー 絵本専門士/JPIC読書アドバイザー
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