子どもの食事相談では、少食や偏食などから「体重が増えない」という悩みをよく耳にします。一方で、「子どもの肥満が気になる」「食事量を減らしたほうがよいですか?」というご相談も少なくありません。
大人であれば、『食べる量を減らして体重を落とす』という方法をイメージしやすいかもしれませんが、成長期にある子どもの肥満対策は大人のダイエットとは少し考え方が異なります。子どもは、身長が伸び、骨や筋肉が発達する大切な時期。成長に必要なエネルギーや栄養素をしっかりとることが大切です。だからこそ、子どもの肥満対策は「痩せさせること」をゴールにするのではなく、成長に必要な栄養を確保しながら、健康的な生活習慣を身につけていくことが大切です。食べることを楽しみ、体を動かし、十分に眠る。そして、将来、自分自身の健康を守ることのできる食習慣を少しずつ身につけていく。それが、子どもの肥満を考えるときに大切にしたい視点です。
日本肥満学会の「小児肥満症診療ガイドライン2017」でも、子どもに極端な減量を行うと成長を阻害する可能性があるため、身長の伸びを期待しながら肥満度を改善するという考え方が示されています。つまり、成人のように「何kg減らす」ということだけを目標にするのではなく、子どもの成長を見ながら、食事や身体活動などの生活習慣を整えていくことが大切です。

子どもの肥満対策では、子どもだけではなく家族みんなで生活そのものを見直すことも大切です。
たとえば、
「ジュースではなく、水やお茶を飲もう」
「朝食を一緒に食べよう」
「おやつは食べる時間と量を決めよう」
「一緒に外で体を動かそう」
「野菜のおかずを一品増やしてみよう」
「夕食後の間食は控えてみよう」
「夜はもう少し早く寝よう」
など、子どもの今の成長を大切にしながら、家族みんなで“健康になる習慣”を育てていきましょう!
※肥満度が高い場合や、成長曲線から大きく外れている場合、血圧・血糖・脂質・肝機能などに問題がある場合には、自己判断で食事量を大きく減らすのではなく、小児科などの医療機関に相談しましょう。
ここからは、子どもが食べやすく、たんぱく質と野菜を自然にとれるメニューをご紹介します。

① 鶏そぼろと野菜の三色丼
鶏ひき肉+卵+野菜(にんじんやほうれん草など)で、たんぱく質と野菜を一度にとれるメニューです。鶏むね肉のひき肉を使ってもよいですね。野菜を細かく刻んでそぼろに混ぜると、彩りもよく、野菜が苦手な子どもにも食べてもらいやすくなります。
② 鮭と野菜のちゃんちゃん焼き
鮭+たっぷりの野菜(キャベツ、にんじん、きのこ、玉ねぎなど)を一緒に蒸し焼きにする、手軽な一品です。野菜は加熱するとかさが減るため、たくさん食べやすくなります。味噌と少量のバターを加えると、コクが出て子どもにも食べやすい味になります。
③ 豚肉と野菜の具だくさん焼きそば
子どもに人気の焼きそばも、具材を工夫すれば、野菜とたんぱく質をとれるメニューになります。豚肉+たっぷりの野菜(キャベツ、にんじん、もやし、ピーマンなど)を具材にしてみましょう。
「肥満が気になるから、麺を減らそう」と考えるよりも、まずは肉や野菜などの具材をしっかり入れて、栄養バランスを整えることを意識してみてくださいね!
「野菜を食べさせなきゃ」と頑張りすぎなくても大丈夫です。そぼろに混ぜたり、魚と一緒に焼いたり、子どもの好きな料理に入れたり。「何を減らす?」ではなく、「何を足したら、もっとバランスがよくなる?」という発想で、まずはできることから始めてみてくださいね。
子どもの食事は、毎日100点を目指さなくても大丈夫です。家族でおいしく食べながら、少しずつ健康な習慣を育てていきましょう!

* BSNラジオ 土曜日午前10時「立石勇生 SUNNY SIDE」の オープニングナンバーの後に「はぐくむコラム」をお伝えしています。8月22日は、管理栄養士のますがたみきさんです。お楽しみに!
