SDGs de はぐくむコラム

学びを、次の世代へ

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「SDGs de はぐくむコラム」を書き始めて、今回で20回目となります。BSN新潟放送の関係者の皆さまや、ラジオパーソナリティの立石勇生さんと出会ってから、4年以上が経ちました。光陰矢の如し。時間が経つのは本当に早いな・・・と感じています。

今回は、昔話をしたいと思います。私たち夫婦には子どもがいませんが、「未来を担う多くの教え子たち」に恵まれました。ありがたいことに、小・中・高等学校をはじめ、専門学校、幼稚園、高専でも教育に携わる機会がありました(あとは保育園に伺うことができれば、コンプリートかもしれません!)。

教員として最初に勤務したのは高校で、理科の授業と柔道部の顧問を担当しました。特に忘れられないのは、柔道部の生徒たちとの思い出です。長年指導されてきた重鎮とも言える先生が定年退職され、後任となったのが当時まだ若かった私。それも女性でしたので、生徒たちはがっかりしていないかな、申し訳ないな・・・と思っていました。

私自身、中学生の頃は本気で柔道のオリンピック選手を目指していたため、当時の経験を生かし、効率よく力を伸ばせるよう練習方法を工夫し、非力ながら奮闘していたと記憶しています。強豪校に立ち向かい、勝利を目指して生徒たちと挑戦した日々は、今でも忘れられない思い出です(「鬼~!!」って言われていたかもしれません)。

そして先日、なんと24年ぶりに、当時の教え子たちと再会しました・・・!!高校教師になっていたり、愛娘にお弁当を作ったり、家族との時間を楽しんだり、責任を持って仕事に取り組んだり、家族とともに困難を乗り越えたり・・・。それぞれが頑張っている様子を知り、本当に頼もしく思いました。不思議なことに、全員40歳を超えているのに、私には18歳だった当時と変わらず、とっても・とっても可愛く見えました!!

←高校3年生 24年後→

当時、彼らの成長に少しでも関わることができたと思うと、感慨深いものがあります。小学校時代の教え子とも今でもつながっており、「子どもができたよ!」「大学院に進学したいので、アドバイスが欲しい」などと連絡をくれるたびに、「教師になって良かった」と心から思います。私が伝えたことは、彼らの人生にとって、ほんの一滴の学びだったかもしれません。それでも、その一滴が彼らの成長につながっていたとしたら、教師として本望です。

現在は、長岡技大でSDGs、労働安全衛生、多文化共修、実践型教育などを担当しています。「この授業を受講して良かった」と思える場を提供したい。その気持ちは、初めて教壇に立った頃から変わっていません。今年度から新たに立ち上げた「持続可能な未来に向けた地域課題解決実践」という科目について、ある学生さんが来年度向けの紹介文を書いてくれました。この場をお借りしてご紹介したいと思います。

「自分の当たり前は、当たり前じゃない」

これが、「持続可能な未来に向けた地域課題解決実践」授業を通して最も強く感じたことです。普段の大学生活では、同じ学科や関心の近い仲間と過ごすことが多く、他学科の学生や留学生と英語でじっくり議論する機会はほとんどありませんでした。そのため、この授業での体験は非常に新鮮でした。

メンバーの専門や背景が違えば、考え方やアプローチも大きく異なります。発表を聞けば班ごとの個性や雰囲気の違いを感じることができ、話し合いの進め方などを授業で学んですぐに実践する講義スタイルには毎回胸が躍りました。英語で意見を交わし、互いの違いを尊重しながら正解のない問いに全員で向き合った体験は、今後の学生生活や社会に出てからも間違いなく活きる貴重な財産となりました。

さらに、議論の土台となる講義内容も大変魅力的でした。多様な分野の先生方から国内外の地域課題や、そうした課題と研究との関わりを学ぶことができます。身近な課題であっても諦めず、多角的な視点から解決を目指す姿勢に触れる中で、対話の面白さを再発見できました。「人を助ける」ということは、理論や論理だけでなく、こうした多様な想いや視点を重ね合わせることなのだと深く実感しています。

授業で扱うプレゼンテーションや対話のスキルは、一見聞き馴染みのあるものかもしれません。しかし、だからこそ改めて学び直し、「異なる価値観を持つ人とどう向き合うか」という感覚を、日々の生活の中で実践し育てていく重要性を学びました。異なる背景を持つ仲間と出会い、共に思考を重ねるワクワク感は、この授業ならではの魅力です。履修を迷っている方には、自信を持っておすすめします。』

現在、この学生さんは実務訓練(長期インターンシップ)中なのですが、忙しい中、このような紹介文を書いてくれたことを嬉しく思います。

学生さんが描いてくれた私たち夫婦の似顔絵(「最近驚いたこと」のグループ発表より)

また、別の学生さんは、授業内の「最近驚いたこと」というグループ発表で、私たち夫婦のことを紹介してくれました。学内に同じ苗字の教員がいると思ったら、実は夫婦だったことに驚いたそうです!これから、このコースの学生さんたちは、以前ご紹介した「ディベート」へと進んでいきます。頭をフル回転させるので、さらに忙しくなると思いますが、体調を崩さないように頑張ってほしいです!

これからも、学生さんが「ワクワク」するような学びの場を提供していかなければなりませんね!「精力善用」の精神です!

日本には「恩送り」という言葉があります。受けた恩を、その人に返すのではなく、次の誰かへ送るという考え方です。また、柔道の創始者である嘉納治五郎が掲げた「自他共栄」という理念は、互いに助け合い、自分も他者も共に栄えるという考え方です。「恩送り」も「自他共栄」も、SDGsに通じるものだと思います。

私たちは、多くの人から知識や知恵を学んできました。それらを自分だけのものにせず、自分自身の経験や学びを加えながら、次の世代へと伝えていく。私は、これを「恩送り」ならぬ「学送り(学びの継承)」と呼びたいと思います。

今度は、私たちがバトンを渡す番です。「自他共栄」の精神を大切にしながら、これまでいただいた「学び」を未来へとつないでいきたいと思います。

* BSNラジオ 土曜日午前10時「立石勇生 SUNNY SIDE」の オープニングナンバーの後に「はぐくむコラム」をお伝えしています。10月31日は、長岡市在住で長岡技大国際産学連携機構 特任講師/主任UEA  の 勝身 麻美さんです。お楽しみに。

http://立石勇生 SUNNY SIDE | BSNラジオ | 2026/10/31/土 10:00-11:00 https://radiko.jp/share/?sid=BSN&t=20261031100000

この記事のWRITER

勝身 麻美(長岡市在住 長岡技大国際産学連携機構 特任講師/主任UEA)

勝身 麻美(長岡市在住 長岡技大国際産学連携機構 特任講師/主任UEA)

1973年 東京都生まれ、高知県育ち。理学博士。初・中・高等教育に従事、一般企業勤務(海外)を経て、 現在は長岡技大国際産学連携機構所属の特任講師/主任UEAとして 、学長からSDGs企画・立案・推進スペシャリストとして特命を受ける。令和3年度科学技術分野 文部科学大臣表彰科学技術賞。
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